「日本のミケランジェロ」石川雲蝶を訪ねて

 

38代石川です。7月29~30日に行われた妙高笹ヶ峰草刈り催事のあと、「日本のミケランジェロ」と呼ばれる江戸時代の彫物師の石川雲蝶の作品を鑑賞すべく、新潟県魚沼市の西福寺を40代坪田さんと共に訪れました。

 

きっかけは帰路挨拶に立ち寄った前・山小屋管理人の山川久隆さんのひとこと。「日本で一番でかい杉を知ってるか?」坪田さんが「屋久杉ですかね。」すると「屋久杉は幹周り16mだけど、(新潟県東蒲原郡)阿賀町の将軍杉は19mある。杉野沢観光協会の仲間にも伝えてやった。他にも、小出の西福寺に石川雲蝶という彫物師の天井彫りがあって一見の価値がある。1時間眺めていても飽きない。国宝・陽明門のある日光東照宮は創建約400年、雲蝶が生誕約200年だから半分くらいの歴史だけど、ぜひ寄ってみたらいい。」

 

杉野沢から上信越、北陸、関越の自動車道を乗り継いで1時間45分。越後の山々に囲まれた美しい田園地帯に、曹洞宗の仏寺・西福寺はありました。近隣には土産物屋が1軒、20台分程度の駐車場が1箇所あるだけの、質素なたたずまい。

 

西福寺は1534年に開かれた後、曹洞宗開祖の道元らを祀る開山堂の落成(1857年)にあわせて、雑司ヶ谷生まれの江戸彫り職人で、越後三条の金物商の誘いを受け三条に移り住んでいた雲蝶に、当時の西福寺住職が道元を題材とする彫刻や絵画の制作を依頼したそうです。

 

終生の大作とされる天井彫刻「道元禅師猛虎調伏の図」(新潟県指定有形文化財)は、160年弱の歴史を感じさせない色鮮やかさで、透かし彫りの技巧溢れる木製彫刻でした。

このような文化財を、脚立を置いたら手が届くような近さで、時間を忘れて静かに鑑賞できるのはとても貴重に感じられました。雲蝶はこの作品以外にも多くの木彫、絵画等を新潟県内に残しているようです。日本のミケランジェロ石川雲蝶を探求する | 魚沼市観光協会 (iine-uonuma.jp)

 

外国人観光客が「ディスカバー」した途端にいまの静けさが失われてしまうは寂しい一方で、地域経済の振興を考えればもっと発信されてもよいのではと思いました。

 

なお、西福寺となりの土産物屋で求めた朝どれの八色原(やいろはら)の大玉スイカ、1玉2,000円でしたが、皮のそばの白い部分まで美味しくいただきました。