57期コーチのKHです。部のコーチとして、7月20日(土)に大学で行われた「コーチサミット」に参加しましたので、ご報告を。
コーチサミットとは、我らが母校の大学の体育会クラブの監督やコーチが一堂に会し、情報交換を行い、相互理解と連携を深めることを目的として、セミナーや情報交換の交流会が行われるものです。年に2度程度、定期開催されており、今回で10回目。私自身は2回目の参加でした。
セミナー部分の一つ目のテーマはアスリートのメンタルケアについて。
日々、学生アスリートの相談にのっていらっしゃる大学の教授の講演。
学生アスリートの鬱症状とその要因について、事例の紹介があった。
要因は、様々で以下の通り、
オーバートレーニング、睡眠不足、人間関係、学業との両立・・・
カウンセリングでは、背景となる要因をすべて洗い出せるように、雑談的な会話からあらゆることを聞くべく十分な時間をとって会話しているとのこと。
あらゆることとは、例えば、以下のようなこと。
・一番の悩みは?
・チームメート関連
・大学生としての立ち位置
・これまでの競技環境、それを取り巻く人達との関係
・家族との関係
・生育してきた周りの環境
・一日の生活時間
適切なカウンセリングによる分析や、診断、それを受け適切な休養をとることの重要性には共感します。
また、今回は予防の話題はなかったものの、部員間の日々のコミュニケーションにより、悩みが深くなる前に早めにくみとってあげられるような環境作りが大切だと思う次第です。
二つ目のテーマは、アンチドーピング。文字通り、ドーピングをなくすことを目指す活動。原則、競技を行っていない我が部にはなじみの薄いテーマ。
以下、学んだことをつらつらと。。
最近では高校の保健体育でも、ドーピングはフェアプレイの精神に反し、スポーツの文化的価値を失うと教育しているとのこと。
国内の直近年度のドーピング違反例に、漢方薬やサプリメントに起因する例がある。
薬品はすべての成分表示が日本法下で義務づけられているが、サプリメントは食品であるため、成分表示の根拠法が異なり、その義務がない。
アスリートたるもの体内に取り込む物質には気を配るべきで、上述の通り、サプリメントには全ての成分表示がないため、細心の注意を要する。
特に、筋肉がつく!痩せる!痛みが和らぐ!などといった謳い文句には要注意。また、特に粗悪なサプリメントをインターネット販売経由で入手した事例に対する問題意識があるとのこと。
日本国内では、2011~2012年度で、サプリメントに起因するドーピング違反例は、5件、うち2件が大学生によるもの。
競技力の高い国内の大学アスリート向けのアンケートの結果(2,000件程度)について説明があったが、全く使用しないと回答する学生は40%程度で、意外とサプリメントの使用は多いと感じた。ただし、プロテインも含むので、それを踏まえるとそれなりの納得感も。
最近では、スポーツファーマシストと呼ばれる薬剤師などもいて、サプリメントについて適切なアドバイスを受けられる機会が増えているものの、
非表示の成分があるため、これらの専門家でも使用可否を判断できないとのこと。従って、アスリート自身の判断が必要であり、結局はバランスのよい食事によって、栄養を接種することを目指すべきとの結論でした。
我が部でも、活動中の食糧計画を策定する際、必要な成分を補うためにサプリメントの使用を議論する例がある。
現役部員には利用する際には、筋のいいものを選んでもらいたいと思う次第です。
セミナー後は、情報交換会で、大学の事務局の方々にご挨拶。長いことコーチをしているつもりですが、登録上は新任にあたるため、壇上で挨拶する機会がをいただき、クラブの存在をアピール。
また、会の後半で、学生(大学院生)コーチとして、急遽かつ問答無用で挨拶を促された、後輩の63期元主将はあせりながらも登壇。
人前で話すことが得意ではない彼を不安な気持ちで監督と見守りましたが、思いの外、流暢に挨拶し、コーチとしての抱負を語ってくれました。
卒部後ではあるものの、後輩(部員)の成長を感じる貴重な機会が得られました。
活動という実績ももちろん大事ですが、社会へはばたく人材としての成長を実感できたときも、コーチとしてのモチベーションを支えてくれる瞬間の一つです。
これからも微力ながら現役をサポートしてまいります。皆さんどうぞよろしくお願いいたします。
57期KH