年末年始 東北山スキー(2022-2023)

ご無沙汰しております。57代の廣光です。
年末年始に東北へ山スキー遠征をしておりましたので、簡単に内容をご報告いたします。
現役の頃に夏は自転車合宿、春は山スキー合宿で訪れた山々であり、当時の記憶を思い出しながら、贅沢な時間を過ごしました。

以下日記形式での簡単な記録となりますが、よろしければご覧ください。

12/30 安比高原スキー場

ツリーランを楽しめる東北屈指の広大なスキー場、ほとんど混まず午後でもパウダーが残っていた。
インバウンドに力を入れており、ニセコや白馬の様な雰囲気が漂う。ちなみにイギリスの名門全寮制スクールが進出して、次世代型リゾートとして生まれ変わるという話があるらしく、色々な意味で今後の動向が気になる地。

12/31 八幡平 茶臼岳

旧八幡平スキー場の横をハイクアップ、強風で大黒森の手前で他パーティは引き返した。
一部吹きだまりは深いラッセルになるが、アオモリトドマツの樹氷が素晴らしいので癒される。
茶臼山荘からプチモンスターの間を縫って茶臼岳山頂へ。山頂は強風により巨大なモンスターが成長中。八幡平の山頂付近も微かに見える。


雪崩に注意しながら山頂からドロップ。眼下には八幡平市の街並みが広がっておりロケーションは最高。岩手山を眺めながら、トラバースと少しの登り返しで前山へ。魅力的な大斜面が広がる前山ルートは滑り手が集結している。
さらにトラバースで籾山へ。籾山ルートはボウル状の斜面に良質なパウダーが溜まっており、楽しい滑り。最後はアスピーテラインを滑って御在所に戻る。

1/1 八甲田 前嶽

強風でロープウェイが運休なので、銅像ルートから前嶽を往復。山頂はホワイトアウトだったが、中腹以下は気持ちの良いぶな林で癒される。
ガイドツアーが入らないおかげで、貸し切りの斜面を楽しめた。


銅像茶屋から少し登り返して、ワンゲルの東北自転車合宿で集合写真を撮った雪中行軍遭難記念像の前で記念撮影。
下山後は酸ヶ湯温泉で汗を流す。

1/2 森吉山

天気がよい日はロープウェイ上から少しのハイクで山頂に行けるが、強烈な冬型でかなりの悪条件。
一応入山してみるものの、ホワイトアウトで雪庇踏み抜きのリスクなどもあり、一つ目のピークで引き返す。
樹氷は絶賛成長中、早めに下山したので阿仁スキー場でゲレンデ練習。
自然を活かしたワイルドなコースで、中々楽しめた。マスコットの秋田犬「北斗」くんがキュート。

1/3 乳頭山

大釜温泉から入山して、孫六温泉から尾根に取り付く。ぶな林の尾根をひたすらラッセルで登っていく。
田代平は広大な雪原で悪天ながらも解放感。田代平小屋は素晴らしいところに建っている。
ここまでは樹林に守られて比較的楽だったが、この先は吹きっさらしの稜線。


たまに山頂が見えるのに励まされて登頂はしたものの、下りはホワイトアウトでどこを滑っているのか全く分からず緊張を強いられる。
田代平から快適な尾根滑降を楽しみ、乳頭温泉で冷えた身体を温める。


乳頭温泉郷はいくつかの施設が集まっているが、蟹場温泉は蟹がいる様な沢の中に露天風呂があり、とても野趣溢れる。温泉はそのまま沢に流れていく。
鶴の湯は関連施設全体が一つの映画のセットの様な温泉で風情がすごい。夜はかりの灯ったかまくらが立ち並び、ランプのゆらぎを眺めながら露天風呂に浸かる。

1/4 秋田駒ヶ岳

アルパこまくさから、旧スキー場跡をハイクアップ。ラッセルを回してゲレンデトップへ。ここから林道沿いに進むが、たまに大きな動物の足跡トレースがあるので使わせてもらう。
やがて樹林もまばらになり、風雪が厳しくなる。八合目小屋から先はさらに厳しくなるので、本日はここで撤退とする。


ちなみにこの小屋はワンゲルの春合宿で吹雪の中で二泊したことがある思い出の場所。今回はリベンジを兼ねていたが、またダメだったので再訪が決定した。下れば天気がマシになるかと思ったが、どんどん吹雪いてくる。地獄から脱出した後のスキー場跡パウダー滑降は最高だった。
下山後の観光の話になるが、田沢湖はクニマス未来館と思い出の潟分校が非常に良かったのでおススメ。

1/5 レスト(電車旅行)

地方に行くと電車で旅をしたくなる。三陸鉄道に一度乗りたかったのと、震災遺構を見ておきたかったので、花巻→遠野→釜石→盛⇒(大船渡線BRT)⇒気仙沼→一ノ関→水沢 とぐるっと一周。情緒あふれる山里の風景から複雑な海岸線など、変化に富んだ車窓の景色を楽しんだ。

1/6 焼石岳

奥州湖から林道歩きでスタート。このルートは林道含めて水平移動も長い。最初はトレースもあったが早々になくなった。
銀名水避難小屋まで約三時間半。ここから上は強烈なガスと風で、厳しい行動が予想される。
意を決して登り始めるが、視界がないので進むべき方向がよく分からず、標高1300m付近から本来のルートより左に進んでしまった。


こちらは凍った植物が多くて歩きづらいので、やはり登山道沿いのルートがよい。視界がないので距離感、方向、平衡感覚全てが狂う。顔面にツララがどんどんできて、見た目もやばくなっている。
泉水沼から先は目視できるものが一切なく、完全なホワイトアウトになってしまうので、山頂まであと標高差100mぐらいだったが、これ以上は危険と判断して行動終了。
下りはGPSがないと確実に無理なレベル。シュカブラも多く、まともに滑らせてくれない。小屋が見えてきてようやく一安心。
小屋から下は地形的に複雑で面白いが、その分迷いやすいので注意。遠さ、複雑さ、点在する沼など、総じて懐の深さを感じる良い山だった。

1/7 栗駒山

風が弱くて視界もあり、絶好の山日和。林道をショートカット気味に登ってイワカガミ平へ。ここから樹林やシュカブラの中を縫って進んでいく。斜面が硬いので歩きのスピードが速い。標高1408m地点で休憩して、二時間弱で山頂へ。
エビのシッポが発達した樹木がお出迎え。また、東北の山々がよく見えて最高の気分。昨日滑った焼石岳もよく見える。


下りはシュカブラが多いが、視界があればそこまで問題なし。悪天時の行動に慣らされ過ぎていたので、行動のしやすさに感動。
あっという間に滑り降りて駐車場へ。標高差800mだが、往復三時間かからなかった。
くりこま荘で東北遠征最後の宿泊。栗駒耕英地区は日本イワナ養殖発祥の地ということで、イワナ尽くしの料理が素晴らしかった。

1/8 夏油高原スキー場

東北遠征の最終日は、ツリーランの聖地としてパウダー愛好家に知られる夏油高原スキー場。広大なツリーランエリアは、山スキーの練習として最適。期待通りの滑りを楽しめた。

まとめ

総じて悪天続きで登頂率はボチボチでしたが、その分雪は良いので滑りは楽しめました。
また、寒さが厳しいほど下山後の温泉が至福となるので、どう転んでも楽しめるのが冬の東北の魅力だなと思います。

東北は山スキー合宿向けの良い山々がそろっているので、現役の皆さんも天気を見ながら是非チャレンジしてみてください。