皆さんこんにちは。
69代小濵です。
今回私の心の友、69代市川と沖縄県西表島でワンダリングを行ってきました。
今回のワンダリングの概要は海岸を歩き、山を登って川に行き、パックラフトで川から再度海にでるといったもの。さまざまな活動を組み合わせた実にワンゲルらしい、いい活動だったなあと思っております。(自画自賛、、、)
そして、実は私の父はこの西表島の端っこにある由布島出身。父の幼少期に思いを馳せながら、親友と西表島を活動するというのもなかなか良いではないか!ということで今回の計画が実行されました。
中部国際空港〜石垣島
〜4.30 正午頃〜
市川と中部国際空港で落ち合う。事前にザック、パックラフトは石垣島のクロネコヤマトに送付済み。
〜同日夕方〜
石垣島空港のクロネコヤマトで荷物を受け取る。空港からバスでフェリーターミナルに向かう。
石垣島のホームセンターでエピガス・釣具等を買い、フェリーターミナルでステビ。すでに沖縄は蚊が大量に活動しており、2人とも蚊の羽音に悩まされながら夜を越す。
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西表島に着島!
石垣島からでる一番早いフェリー(7:00発)で西表島に到着。確か50分ほどで石垣島から西表島に到着。
西表島唯一のスーパーで食料を買う。スーパーに来ていた軽自動車にのった女性の健康的な肌の黒さにドキドキする。そして僕たちは西表島まで来たんだな〜と実感をする。
あきらかにザックの容量をオーバーした荷物量で目的の砂浜を目指して歩き出す。
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フェリーターミナルから1時間ほど歩くと、島最南端のキャンプ場がある。そこをぬけると海岸に降り立つことができる。僕たちの今日の目的地はこの海岸線上にある”大浜”という浜だ。
キャンプ場へ向かう途中、道の反対からわれらがワンゲル大家さんに似た男性が歩いてきた。挨拶をすると、やたら我々と話たがり、聞いてもいなかったが風向きの情報やら、この後のルートの状況等を細かく教えてくれた。最後「2人で、いいなあ、、、」とつぶやきながら自分の道を歩いて行った。なるほど、あの大家さんに似た男性は例年西表島にきて活動をしているみたいだが、どうやら一緒に活動を楽しむ仲間がいないみたいだった。ワンゲルを通して、こういった活動を気兼ねなくできるともだちができたことには感謝せねばと思った。
浜に到着するとさっそく沢足袋に履き替えて歩を進める。
砂浜を歩きはサラサラな砂の上を歩くと足をとられて歩きづらい。この歩きづらさを感じ、市川が「だから砂浜トレーニングなるものがこの世には存在するのか」と納得していた。少し波で濡れて固まった箇所を歩いていくのがよい。
海岸線上の岩には藻やら貝やら砂やらがついており、沢足袋でないと足を滑らせて危なかった。
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途中で歩くことが面倒になりパックラフトで海に漕ぎ出る。波も穏やかで、結果として陸路よりも海路のほうが早かった。
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衝撃・ウミガメの神秘の営み
大浜につき、テントを張ったりと幕営の準備を進める。この大浜には沢もあり、真水を汲める。なんていい浜なんだ。
沢の水を汲んだ帰りにふと海を見ると、坊主頭の2人が海の中で抱き合ってくるくるを回っていた。この浜に我々以外誰かいるのか!?と思い、近づいてみると、なんとそれはウミガメ2匹であった。
市川が「ウミガメのセックスだ!!」と興奮しながら近づいていく。編集の仕事をしているのになんと下劣なワードセンスをするのだろうと思ったが、僕も興奮して、「スゲー、ウミガメのセックスだ!」と同じ言葉を繰り返す。
我々が寄ってもウミガメは行為を止めることはなく、プカプカ2匹で浮いている。プカプカ、クルクルと優雅にダンスを踊っているようにも見えた。
今まで見たことのない光景を見る驚きと興奮からゲラゲラ笑いながらウミガメを見ていると、雄とおもわしき方がこちらをチラッと見た。
目が合うと、僕たちは笑いを止めた。ここはウミガメたちが元々住んでいた場所であり、僕たちは勝手にここに入り込んだだけなのだとウミガメの目を見て感じた。ウミガメ達はずっとこの場所でこうして命を繋いでいるのだ。
同時に僕は父親がこの島に住んでいる時から、変わらずウミガメが命を繋いでいることにも思いを馳せた。父がこの島で自然と共存しながら生きたことで、僕もこうして生まれたのだと、あらためて親への感謝の念が湧いた。
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コンパスを信じろ!
翌日、再度海に漕ぎ出し、藪漕ぎ開始地点へとむかう。本日のルートは藪漕ぎをして海岸と反対の地点に降り立ち、そこにあるクイラ川上流から海に漕ぎ出すという計画だ。
過去に同じルートを歩んだ先人達のおかげで上りのルートはテープが貼られ、道もうっすらとできあがっていた。パックラフトとはいえ、いざパッキングすると相当な大きさになるザックを背負った我々にとってはありがたい道だった。
目的の尾根に取り付くと、そこからクイラ川に向かって今度は山を降りていく。降りていくルートは道ができていなかったのでコンパスを川に合わせて進んで行こうとした。
しかし市川の持っていたコンパスが、同封していた携帯ラジオの電池の液漏れ汁と一緒の袋にはいっていたので、我々は勝手にコンパスが壊れていると判断した。
「使えないコンパスだなあ」と悪態をつきながら道を進む。しばらくしてGPSを確認すると、まったくもって逆のルートを歩んでいたことが発覚した。
コンパスは正しい道を指していたのだ。
自分たちの身勝手さに呆れながらあらためてコンパスの有能さを知った。コンパスのいうことを聞いて無事川に到着した。
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イリオモテヤマネコとの遭遇(?)
実は藪漕ぎの途中にもう一つ事件があった。
薮をこいでいると、スーパーの鮮魚コーナーのような臭いがする。少し歩くと、そこにはヤマネコの死骸らしきものにハエがたかっていた。
ヤマネコであると推測する根拠は以下の3つだ。
①するどい牙があること ②四足歩行の動物であること ③山の中で生活していること
普通の猫でも山の中にはいることはあるのだろうか?市川はたぬきか狐だろうと、なぜかヤマネコにしたがらない。僕はヤマネコだと思うのだが、皆さんはどう思いますか??
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マングローブを抜け海へ
マングローブって、木の総称でなく、海水に生えている植物をまとめてマングローブと呼ぶらしいです。(余談)
無事マングローブを抜け海に漕ぎ出し、目的の浜へ到着。そこからフェリーに乗りバス停へ向かい東京へ帰りました。
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父について
私の父は西表島の東約0.5kmに位置する由布島という人口100名ほどの島に生まれた。
由布島から西表島は干潮時は歩いて渡れるためほぼ同一の場所に位置しているといえる。
父は中学時代までをこの島で過ごし、石垣島での高校生活を経て東京へ上京した。
父の育ったこの島を、できるだけ当時の生活と近い形で体験したいと思い今回のワンダリングは実施された。実際に父も幼少期は半自給自足の生活をおこなっていたというから、当時の生活の困難さの想像は難くない。
あらためて自分が存在してることの不思議というものも感じた。このGW後半で実家に帰り、父の島生活をさらに深掘りして聞いてみることにしよう。
この計画を一緒に遂行してくれた親友市川よ、ありがとう。